通信制高校のコース選びで、多くのご家庭が迷うのがここだと思います。
「通学するコースにすべきか、ネットだけのコースにすべきか」
我が家は、N高等学校に入学した最初の1年を週3コースで過ごし、そのあとネットコースに変更しました。両方を経験したことになります。
この記事では、まず混同されやすいコースの違いを整理したうえで、なぜ変更したのか、親として何を考えたのか、そして変えてみて実際に何が変わったのかをお伝えします。
まず整理したい「オンライン通学」と「ネットコース」の違い
ここが一番ややこしいところです。実際、ネット上の質問サイトにも「調べてもよく分からなかった」という投稿があります。
公式サイトの案内をもとに整理すると、コースは大きく次のように分かれています。
ネットコース
- 時間割がなく、好きな時間にネットで学習する
- 自由に使える時間が多い
週5・週3コース/週1+コース
- 決まった日数だけ登校する
- 登校先を「リアルキャンパス」と「オンラインキャンパス」から選べる
- 公式のよくある質問によると、指定された時刻に登校することが原則
つまり、「オンラインキャンパスに通う」というのは、通学コースの一種です。家から参加するので通学はしませんが、時間割があり、決まった時間に参加します。
一方のネットコースは、時間割そのものがありません。
言葉が似ているので混ざりやすいのですが、この2つは費用も生活リズムもまったく違います。コースによって学費が変わりますので、検討の際は必ず公式サイトで確認してください。
コースは途中で変えられる
もうひとつ、入学前にはあまり意識していなかったことがあります。
コースは入学後に変更できます。
公式のよくある質問によると、コース変更や通学日数の変更は、3〜6ヵ月ごとに可能とされています。
これは、検討している段階の親にとって、かなり大きな情報だと思います。「最初の選択を間違えたら3年間それで固定される」わけではないからです。
我が家も、この仕組みに助けられました。
きっかけは、子ども本人がメンターに相談したことだった
正直に言うと、この話は親から出たものではありませんでした。
本人が自分でメンターの先生に相談していたのです。
そして先生が、本人の性格や普段の様子を見たうえで「この子ならネットコースでもやっていける」と判断してくださいました。理由として挙げてくださったのは、次のようなことでした。
- 通学しなくても、自分で学習を進めていけるだろうということ
- 動画編集という、やりたいことが本人の中で明確になっていること
親の目から見ても、先生は本人の性格をよく見抜いてくださっていたと思います。我が家が普段から感じていたことと、先生の見立てが一致していました。
パンフレットには「メンターがサポートします」と書いてあります。入学前はその言葉の実感が湧きませんでしたが、こういう形で機能するのだと分かりました。
**子どもが親を飛び越して、自分で相談できる相手が学校にいる。**これは検討中の方に、ぜひお伝えしたいところです。親には言いにくいことでも、先生になら話せるという場面はあると思います。
手続きについては、恥ずかしながら細かい流れを覚えていません。ただ、メンターの先生に相談するところから始まったことは間違いありません。迷っている段階でも、まず相談してみるのがいいのだと思います。
親として、何を考えたか
提案を受けたとき、正直なところ不安はほとんどありませんでした。
心配よりも、「どんな生活になるのだろう」という興味のほうが大きかったです。
学力が落ちるのではないか、という心配もしませんでした。これは我が家の考え方によるところが大きいのですが、興味を持ったことに対して自分で学んでいくこと、それ自体が勉強だと思っているからです。
うちの子は、興味を持ったことはまずやってみるタイプです。であれば、自由な時間が増えることは、その子にとってプラスに働くだろうと考えました。
ここは各ご家庭で判断が分かれるところだと思います。「決まった時間割があったほうが安心」というご家庭も当然あるはずです。どちらが正しいという話ではなく、お子さんのタイプと家庭の考え方次第だと思っています。
子どもが感じた違い
本人にも聞いてみました。かなり率直な答えが返ってきたので、そのまま紹介します。
時間について
通学コースの時はほぼ休みがなく大変だったけど、ネットコースにしてからは休みもそこそこ取れるようになってちょうどいい
学習の自由度について
通学コースはほとんど全日制と変わらない。ネットコースは全て自由だから、勉強しないでずっと遊んでいることもできちゃう。レポートは絶対やらなきゃいけないから、そこだけは絶対に怠らないように。ネットコースは自由すぎ。宿題という宿題もほぼなし
親としては、この「自由すぎる」という表現が正直なところだと思います。
自由な時間が増えるということは、その時間をどう使うかが本人に委ねられるということです。放っておいても勉強するタイプかどうかで、向き不向きははっきり分かれると思います。
そのうえで本人が言っている「レポートだけは絶対に怠らない」という点は、検討中の方にお伝えしたいところです。完全に自由なわけではなく、やるべきことは確実に存在します。
友だちとの関わりについて
通学コースが好きな人はネットコースにしたら、ちょっと寂しいかも
DMとか課外授業に参加しないと、関わりが全くない
ここは正直に書いておきます。ネットコースにすると、自分から動かない限り人との接点は生まれません。
学校が用意してくれる出会いの機会が減るぶん、本人の性格によっては物足りなさを感じる可能性があります。通学コースでの学校生活を楽しんでいるお子さんの場合は、慎重に考えたほうがいいかもしれません。
メンターとの関係について
困りごとにもすぐに対応してくれて優しい。数ヶ月に1回面談がある
通学コースは自分から話しかけに行ったり、ネットコースだとDMで困ったことなどを話にいく。ネットコースは日常会話というのはしにくい
定期的な面談は続くので、放置されるわけではありません。ただ、雑談のような日常的なやりとりは減るということのようです。
家庭に起きた、予想していなかった変化
ここからは親の視点です。変えてみて一番驚いたのは、家庭内の会話量が増えたことでした。
我が家は日中、親が家にいないことが多い家庭です。それでも、家族の会話量は明らかに増えました。
通学に使っていた時間がまるごと家での時間に変わるので、顔を合わせる回数そのものが変わります。これは入学前にはまったく想像していなかった変化でした。
もうひとつは、アルバイトの回数が増えたことです。
うちの子は、入学した頃にはすでにアルバイトを始めていました。時間に余裕ができたぶん、そこに充てる時間が増えた形です。
親としては、これはよかったと思っています。お金を稼ぐという経験と、社会がどう動いているかを知る機会は、教室の中では得にくいものだからです。自由な時間の使い道として、納得しています。
お金の話:学費より大きかったのは交通費
コース変更で費用がどう変わるかは、多くの方が気にされる点だと思います。
学費そのものについては、ネットコースのほうが低く設定されています。具体的な金額はコースや年度によって変わりますので、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
そのうえで、我が家にとって予想以上に大きかったのは交通費でした。
通学がなくなったことで、電車代がまるごと不要になりました。年間で十万円単位の差になります。
学費の比較表には、当然ながら交通費は載っていません。ですが、通学コースを選ぶということは、学費に加えて毎日の交通費が3年間続くということです。ご自宅からキャンパスまでの距離によっては、これが判断材料になるご家庭もあると思います。
同じように、通学コースでは学費表に出てこない準備費用もかかります。パソコンについては別の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
どんなお子さんに向くか
ここまでを踏まえて、我が家の経験から言えることを整理します。
ネットコースが向いていそうなお子さん
- やりたいことがはっきりしている
- 興味を持ったことを自分で進めていける
- 自由な時間を自分で管理できる、または管理を身につけていける
通学コースを続けたほうがよさそうなお子さん
- 学校で友だちと会うことを楽しんでいる
- 決まった時間割があるほうが生活が安定する
- 自分から動いて人と関わるのが得意ではない
そして何より、最初の選択を一生ものだと思わなくていいということです。コースは変更できます。実際にやってみて合わなければ、相談すればいい。我が家はそうしました。
これから選ぶ方へ
最後に、検討中の方へお伝えしたいことをまとめます。
- 「オンラインキャンパスに通う」と「ネットコース」は別物。費用も生活リズムも違うので、必ず公式サイトで確認を
- コースは3〜6ヵ月ごとに変更できる。最初の選択で全部が決まるわけではない
- 迷ったらメンターの先生に相談する。我が家の変更は、子ども本人が相談に行ったことから始まった
- ネットコースは自由だが、レポートは必ずある。完全に何もない状態ではない
- 交通費は学費表に載っていない。通学コースを選ぶなら、3年分の交通費も計算に入れておく
コース選びに唯一の正解はないと思います。ただ、選び直せるということを知っているだけで、最初の一歩は少し軽くなるのではないでしょうか。
制度や費用は変更される場合がありますので、ご検討の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。
参考:

